::Yak-130 練習機

Yakとは、ロシアのヤコヴレフ設計局の製造した機体に付く略称です。ロシア機と言えば、Mig(ミグ)の中型機、Su(スホーイ)の大型機が、有名ですが、Yakは、特殊機の開発が多いのか、Yak-38(ロシア版ハリアー)や、Yak-141(超音速VTOL機)を、試作開発した実績があります。(ただし、評価は、どちらも高くないですが・・・)



MY Yak-141

Yak-38やYak-141の失敗は、ロシア、旧ソ連財政問題による開発費不足が、原因ではないかと思っています。技術的に見劣りがするわけでない証拠に、Yak-141のVTOLとしての設計思想や、技術は、アメリカに転売されて、最新鋭機F-35Bに受け継がれています。



My F-35B

サイズや、前部ファンの形式こそ違っても、F-35Bは、Yak-141の直系の機体であることが、わかりますね。ちなみに、マクロス・ゼロのSV-51の前部リフト・ファンの原型もYak-141ではないかと思っています。


さて、そのYakが、90年代後半に、設計開発したのが、Yak-130練習機で、第四世代、第五世代の戦闘機乗りを育成するための練習機として、開発されました。




My Yak-130

全長11.25m、空虚重量4.6トン、ツインのエンジン総推力4.3トン、最高速度は、川崎T-4と同等のマッハ0.9ですが、太めの機体なので、燃料搭載量が、多いのでしょうか、航続距離は、T-4の倍近いです。

主翼前部に張り出したストレーキは、Mig-29や、Su-27譲りというよりは、F/A-18Eスーパーホーネットに似ていますし、主翼形状もホーネットに近いと思います。さらに、機首の形状は、F-20タイガーシャークのように、縦に潰れた扁平の独特の形状です。

My F/A-18E

My F-20

小型ではあっても、さすがにロシア機。ロシア機に共通の仕様である、切り替え式のインテークが、Yak-130にも付いています。これは、離着陸時に、前面インテークを塞ぎ、ストレーキ上に開いた上部インテークから、大気を取り込む機構です。離着陸時にインテークからの異物の進入を防ぐためです。多分、冬のロシアの滑走路は、整備はしていても、シャーベット状の雪で、覆われており、前輪の跳ね上げた泥混じりのシャーベットが、エンジンに入ってしまうのを防ぐためだと思われます。

非常に小型ながら、とても、魅力的な機体だと思います。