::MiG-AT(高等練習機)

今回、紹介するのは、MiG-ATです。
全長12m、空虚重量3.8トンくらい、双発エンジン総推力3.4トンで、1990年代後半に開発された機体です。MiGですからロシア製の練習機です。最高速はマッハ0.8くらいです。





My MiG-AT

翼の形状と、その翼の上に乗っているようなエンジンの配置に特徴があります。翼の形状ですが、テーバー翼の仲間だと思いますが、前縁はほぼ直線であり、後縁にはわずかに前進角が、付いています。これに加えて、翼の前縁根元には、ストレーキのような、弱い後退角が、付いています。これは、前進翼の仲間であり、高揚力と、高機動性が、得られる反面、翼部分の抵抗が大きく、直進性も、悪くなる形状です。しかし、練習機の最高速度は、マッハ以下なので、抵抗の問題もあまり関係ありません。さらに、機体の不安定さは、フライ・バイ・ワイヤーによるコンピューター補正が可能なので、不安定=高機動な、機体を作ろうとしたのでしょう。


代表的な前進翼機(X-29,Su-47)

ロシア機の特徴でもある、切り替え式のインテークが、この機体には見受けられません。その代わり、主翼をインテークの泥除けにしているような配置です。翼をエンジンの盾にする発想でしょうか?「翼をエンジンの盾にする」という事から、連想する機体にA-10が、あります。A-10は、低速で移動中の戦車や装甲車や、固定基地を攻撃する戦闘機で、A-10自体も低空を時速500kmくらいで飛行しながら攻撃するので、地上からの攻撃をまともに受けることになります。そこで、主翼と2枚の垂直尾翼をエンジンの盾としています。主翼の先端、尾翼1枚、エンジン1基を失っても生還できるようになっているそうです。もちろん、コックピットの保護も、充分にされているようです。

My A-10

最後に、MiG-ATですが、練習機としては、多分非常に高機動を誇り、実戦では、A-10のような、地上攻撃が得意な機体だと思います。