::シルバーストーン雑記

レッドブルがやっちゃった。

初日の練習走行で、好調のレッドブルだが、エンジンカバーの後端に、ジェット噴射口(のような物)を付けてきた。

レッドブルマシンが作って無いのでBGP001に付けてみた。赤い筒状の排気口)

これはブラウンGPが装備する2階建てディフェーザーの2階部分と同じ効果を狙ったものだ。この部分の詳細は別途報告するが。簡単に言えば、ラジエーターやエンジンの冷却に使った熱い空気をうまく収束させて噴射する穴だ。もちろん噴射を推進力に利用するのではなく、熱い空気で後部ディフェーザーの上部に上昇気流を作り、ディフェーザーの吸引力を増加させ、結果的に車体下部を通過する大気の速度を上げて、グランドエフェクトによるダウンファースを得ようと言うわけだ。レッドブルも2階建てディフェーザーを既に投入したことになっているが、ギアボックスをぎりぎりまで下げてきたレッドブルの後部には、2階建てディフェーザーに効率よく大気を送るスペースが無いので、あまり機能しない。その替わりのソリューションで、ギアボックスの上を使ったのだろう。ただ、2009年の規定では、エンジンカウル上のルーバー(排気用スリット)や、排気用煙突は禁止になっている。排気口がリアタイヤの軸線より後方にあっても、煙突やルーバーを延長しただけの物と判断されれば違法扱いになる。ブラウンGPの2階建てディフェーザーは、エンジンカウルと直接連結されていないし、形状自体は、後部衝突安全基準をクリアーするための補強機材という扱いだ。レッドブルは、この新しいソリューションをどのようにこじつけて正当化するのだろう。効果は高いので、ベッテル優勝、その後、規定違反により優勝剥奪、場合によって出場停止ペナルティーになる危険な賭けだ。モズレーカリカリしている状態だから、とばっちりが恐い。でも、もし妥当と判断されたら今年のトレンド間違いなし、左右2本出し煙突なんて出てくるかも。

追記:マクラーレンは、フロントウィングを2階建てにしてきた。ただドラックが増えるだけのような気がする。2階建てディフェーザーからの発想だったら安直過ぎ。それとも2階部分は、横風対策なのかな?2階建てだから3次元ウィングには間違いない。