::BGP001

F1マシンを3DCGで作るのは、始めてだ。以前、ホンダが撤退した時に、テンプレートまでは作ったがそこまでだった。今回F1マシンを作ろうと思ったのは、ブラウンGPが活躍している事もあるが、スポンサーが少なく、マシン上のロゴが、少ない事にある。私のCGは、テクスチャーを使わないので、スポンサーロゴもポリゴンで作るのだが、複雑な曲面に沿った図形やロゴは、とっても手間が掛かる。だからシリーズ化はないだろう。ただ、REDBULLのマシンには興味がある。でも、一番複雑なスポンサーロゴが、このチームのものだからなあ・・・

No.22 バトン付き

問題のディフェーザー(本物は黄色じゃないよ)

My BGP001
実際に作ってみるとBGP001は綺麗なマシンだ。3DCGで、1つ1つ部品を作っていくと、写真を見るだけでは判らないこの車が速い秘密が見えてきた。その部分を何回かに分けて技術解説してみようと思う。だだ、車関係の技術者でも空力の専門家でもないので、間違い、勘違いは多々あるだろう。



My BGP001 その2

今回は、全体的に、この車の狙いについて書こうと思うが最初はおさらいだ。
ここ1〜2年は、マクラーレンフェラーリが飛び抜けていた。マクラーレンはメカニカル・グリップが基本であり、フェラーリは、空力によるダウンフォースによるグリップが基本の車だ。タイヤを地面に押し付けて、パワーを沢山路面に伝えられる車は、速い。総合的なグリップ力は同等だが、特性が異なるので、サーキット毎に、星を分けた結果となった。見た目には、マクラーレンの方が、追加ウィングや整流板が多く、空力マシンのように見える。これは、ボディーのドラッグ(空気抵抗)が高く、ボディー形状によるダウンフォースが低い事を表している。フェラーリは、極限までドラッグを低くしたボディーに、効果的な空力パーツを付けている。

次は、今年のトレンドに関して。ドラッグを減少させるため、ボディーを絞ってきたのは、レッドブルトヨタブラウンGPフェラーリだ。ぼってりとしたマクラーレンBMWルノーと比較して明暗はハッキリ分かれている。次に、ノーズ傾向だが、ハイノーズは、トヨタレッドブル、中間は、BMWマクラーレン、ウィリアムス、フェラーリ、極端に低いのは、ブラウンGP。リアの低重心化を強く行ってきたのはレッドブル、ウィリアムス、BMW。全体的な低重心化は、レッドブルマクラーレンブラウンGP。ダブルディフェーザーを最初から搭載してきたのはトヨタ、ウィリアムス、ブラウンGP。後発組でダブルディフェーザーの効果が少し出てきたのは、マクラーレンフェラーリルノーといった所か。

悪い傾向としてドラッグの多いボディーはダメ。中途半端に高いノーズはダメ。予想される事として、リアの低重心化重視と、ダブルディフェーザーは相性が悪いようだ。

さて、本題のBGP001だが、簡単に言えば、マクラーレンのメカニカル・グリップにフェラーリの空力を持ったマシン+αな車である。中間的なマシンではなく、両得のマシンだ。レッドブルトヨタのマシンも良く似た傾向だが、+αが足りない。さらにトヨタのマシンは、低重心化が徹底されていないのでレッドブルよりもメカニカル・グリップが足りないのだと思う。

レッドブルトヨタは、空力による損失を低減するまでには至ったが、空力を味方に付けるまでには至らなかった。+αとは、空力を味方につける部分だ。ブラウンGPの持つ+αの効果は、実際のラップタイム差よりもっと大きいだろうが、その分、メカニカル・グリップを弱くして、タイヤに優しいマシンに仕上げているのだと思われる。昨年までのマクラーレン役がレッドブルで、フェラーリ役がブラウンGPという事になる。空力およびメカニカル・グリップに余力を持つBGP001は、他のチームが1年を掛けて到達する未来の車であり、他チームがバージョンアップしてくると、バージョンダウン幅を減らしているだけのようだ。さらにロス・ブラウンのことだ、来年用のパッケージ開発と評価を、実戦で行っているかもしれない。