::VFエンジン内の熱核融合炉について

日本語の練習として、この記事を書く。

核という言葉は、日本人には恐怖を与える。原爆=核爆弾が、容易に連想されるからだ。

また、原子力発電所で、度々起きる、機能不全による緊急停止とか、設計ミスによる放射性を帯びた水の漏洩が、問題(大問題にならないのが不思議)になっている。

さらに、人災、天災により、人間の手から制御がはなれた原子力発電は、連鎖反応により暴走する危険性を秘めている。

もう1つ問題がある、核廃棄物だ。

原子力発電所から出た使用済み燃料だ。

使用済み燃料と聞くと、燃えカスみたいで、安全なもののように聞こえる。

いや、あえて、危険を連想しないように、そう、呼んでいるのだろう。

使用済みとは、もう、原子力発電に使用できない物質、利用価値のない物質の事を意味している。

燃料部分は、放射能がなくなった燃えカスではなく、放射性を持つ危険な物質である。

ようするに、役に立たない上に、危険な物質を、人間が作り出したという事だ。

この物質が自然に、無害な物質になるには、数千年、数万年かかる。

人類が存続する限り、無益で、有害な物質が、持ち越されていく。

いつかは、人間の手で、利用法が、見つかるかも知れない。

いつかは、人間の手で、無害にする方法が見つかるかも知れない。

そうなるように祈るしかないのである。

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さて、架空の物ではあるが、VFに搭載されている熱核融合反応炉は、危険なものであろうか?

特に、戦闘目的であり、空中で、機体が爆発するかもしれない。

危険かどうかは、製造方法、使用する核融合の方式に依存し、技術力により変わる。

爆発するか?<=爆弾とは構造が違うので、無いと思う。

放射能は?<=方式により、一時的に放射性物質が作られるが、さらに反応がすすんだ場合、廃棄物には、放射性は無い。さらに、方式と使用年月により、融合炉の炉心の構成物質が、中性子の影響で、放射化してしまう場合はある。

暴走するの?<=核融合をおこさせる物質の供給を停止すれば、自動的に、核融合は止まる。

これらが、全てでは無いが、危険性は低いと見ていい。

もし、危険なものならば、人類は、誕生以前から、危険性を持っていたことになる。

それは、太陽が巨大な核融合炉であるからだ。

一般的な核融合の話は、ここまでで、これ以降は、VFの話になる。

マクロスの世界では、プロトカルチャーの科学力を、理解できなくても手にいれた人類は、独自に小型の核融合炉を作り、飛行機の動力源として、活用しようとした。

キーワードは、「小型」と「プロトカルチャーの科学」「熱核タービンエンジン」の3つ。

小型については、現実世界の今の技術では、信じられないくらい小型化だ。
それは、炉心のサイズではなく、炉心以外の部分の小型化だ。

炉心サイズとか、投入する物質の量は、必要とされる電力量、効率に依存する問題である。

それ以外の部分は、炉心のサイズと、持てる技術力に依存する。

実際に、建造予定の、実験用核融合炉は、巨大な、設備だ。

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再度、核融合の原理に戻るが、非常に簡単に説明すると、

水素原子2個を、無理やりに、どんどん近づけていくと、水素原子2個として、存在できなくなり、ヘリウムになってしまう。

水素原子2個とヘリウム1個では、質量が異なる。ヘリウム1個の方が軽い。

その質量差は、どうなるかというと、エネルギーとなって、放出される。

このエネルギーを利用して電気をつくる。

無理やりにくっつける方法には、狭い部分に閉じ込めて、熱を与える方法がある。

狭い部分に閉じ込める方法には、磁力で、原子(実際にはプラズマ状態)を、自由に動けないようにする。

磁力を用いるのは別の理由もある。高速で、運動するプラズマは、炉壁に衝突して、
炉壁を損傷、破壊してしまう。つまり、炉心を守るため、磁力で、プラズマが、炉壁に近づけないようにしている。

原子がプラズマ化するように、レーザー照射なので、高温にし、磁力で、狭い範囲に
閉じ込めておくと、核融合が起きる。

ここまででは、レーザー照射や、磁力発生装置には、莫大な電力が必要であり、核融合を起こす自体は、電力を発生させるではなく、電気を消費するの間違いのようである。

自己点火:レーザー照射を止めて、外部から熱を与えなくても、核融合が、発生する熱量だけで、核融合が、続く状態。

臨界点:磁場を作るために使う電力と、核融合から取り出した電力が同じになった状態
アニメ等で「臨界点を突破しました。」というのは、取り出す電力が、使用す    る電力を、超えた状態で、総合的に、発電機として機能を始めた事をいいます。

レーザー照射に費やした初期投入電力も、回収できるようになります。

ここまでくれば、水素を次々に、炉心に投入すれば、莫大な電力が生み出されます。

実際に使う原子は、水素ではなく、2重水素、3重水素等の重水素です。

重水素中性子を持つ水素。中性子分だけ、水素より重い水素なので、重水素と呼ばれています。

重水素を使う理由は、水素を使うより、効率が、高く、実現しやすいためです。

ただし、水素を使うより、危険性等のマイナスの面があります。

1.重水素を用いる場合、重水素から一時的にトリチウムを作り出します。トリチウムは、放射性のある有害な気体です。さらに融合が、進めば最終的には無害な別の物質になります。

2.重水素の持つ中性子は、核融合により、外部に放出されます。磁気の影響を受けない中性子は、磁場を突き抜け炉心を、放射性のある物質にしてしまう。
つまりは、炉心を交換すると、有害な廃棄物が、出来ます。

VFの融合炉が、重水素を使う方式と仮定すると、VFが、戦闘で爆発すると、有害な炉心の破片や、反応途中のトリチウムを撒き散らす事になります。

よって、VFの核融合は、重水素以外の元素(例えば水素)を利用するか、中性子処理をオーバーテクノロジーで、克服する手法が、使われていると考えましょう。

ガンダムの世界にも、核融合炉搭載のMSが、出てきますが、効率の問題や技術力の問題で重水素を用いる方法でしょうか?ヘリウムという説もありますね。

核融合炉搭載のMSが撃墜された時に、パイロットは、反応炉の緊急停止ボタンを押したようです。自分の命よりも、地球環境を守ろうとしたのだと、私は思いました。

核融合炉が、誘爆するとは、考え難いので、緊急停止とは、物質の投入を切る事で、炉心にあった有害物質も、反応が、進みクリーンな状態で、自然に停止する事。有害物資を地上に撒き散らす危険性を防いだのだという考えです。

「脱出」よりも、「核融合が、完全に停止するまで待つ」という選択をした訳ですね。

長くなったので、今回はここまでにします。