::間違いだらけのGun選び その4

「購入前夜」

銃砲店から今日メールがあり、予定通り、入庫されたようです。「あと1つ寝ればお正月、いやクリスマス」みたいな子供と同じ状態です。機種に関係無く380ACP,9mm,40S&Wのどれが良いのか考えたり、クローン(コピー)銃でいいのか?等、考えてしまいます。何のクローンか判らなかった、タウルスPT140でしたが、同じメーカーのタウルスPT945を見て、答えがわかりました。予想外のベレッタのクローンでした。ベレッタのフレームに、改良ブラウニング式のバレルとスライドを組み合わせたタウルス独自?の製品があり、これをポリマーフレーム化する際に、ドリガーメカニズム全体を、ハンマー式からストライカー式に変更したもののようです。

さて、クローンについてですが、クローンが多いと言う事は、元の銃が、有名であったり、機能が優れている他に、特許が切れたり、有効でないと言うのも大きな要因です。ガバメント系はコルトの特許は切れているし、Cz75は、旧東側の製品であると伴に、特許自身が公開されていなかった?事が原因です。要は、特許問題さえなければ、優秀な銃はフル・コピーされるし、特許が有効でも、外見やメカニズムを特許に抵触しないように作り変えてコピーする業界だと言う事です。フル・コピーでも、30年以上作り続けていれば、分家と本家、本家と元祖等のように、製品に違いはないと思えるし、製造工程や材質の見直し等で、オリジナル以上になっていることも考えられます。

元祖を名乗る老舗メーカーの作る自動装填拳銃ですら、1930年代までに、ブラウニングかワルサーが作り上げた基本的な技術の組み合わせでしか無い訳です。私が、銃器業界に影響を与えた拳銃を3つ挙げるとすると、

My ブラウニング1910、

My コルト1911

My ワルサーPPK(PP)

です。1910は、ストライカー方式とグリップ・セイフティー、1911は、ブラウニング式ショート・リコイル、PP/PPKは、ダブル・アクション機構と、デコッキング機構、トリガー機構連動のファイアリング・ピン・ブロック機構です。他の設計者が考案した機構も数多くあるでしょうが、現代の銃に残っているのは、これらの機構の組み合わせのみです。ダブルカラム・マガジンは、影響がありましたが、単なる改良の範囲。アルミ・フレームや、複合フレーム、ポリマー・フレームは、材質の改良の範囲です。オーストリアグロックも多大な影響を与えた拳銃ですが、「(軍用銃として)機能やコストを考えた場合に、外見のデザイン等は何の意味も無い」という思想と、「(軍用銃として)敵より早く撃てるには」という技術的な改善が、外見の伝統ある特徴のみで、存続してきたメーカーを震撼させた事が評価できる点でしょうか。ただ、グロック社を含め、グロックを超える製品を作るのは、難しいでしょう。伝統的な銃器作りの旧西側メーカーには無理に思えるので、奇抜なアイデアの銃を真剣に作ってきた旧東側の銃器メーカーに期待したいところです。