::変形3種

変形する機体を作るのは大変だ。特にVFの場合、ファイター形態は、薄く仕上げたいし、バトロイド形態は、マッシブにしたい。アニメやCGの場合、内部で変形用パーツが干渉していても実体が無いので問題ないのだが、ウソは仕込みたくない。

ウソの無いCGを作るには、設定に無いギミックを追加したり、変形方法自体を変える必要がある。

最初は、前にも紹介したVF-1の変形だ。この機体の変形は、脚の移動に問題がある。タカトク方式は、腰の回転軸が無いおもちゃの場合は有効だ。やまとのアーム方式も良く考えられているが、腰の回転に制限があるし、アームが短いので、早い段階で、脚を切り離し、胴体変形が完了するまで、脚の連結が出来ない構造だ。「マクロス・ゼロ」の変形時だけ、現れて、また隠れるアームというのは、簡単に言えば、プラモデル等の「差し替え式変形」と同じだと思う。人間の手で差し替える代わりに機体に内蔵されたロボットアームが、脚を掴んで移動させ、機首の脚軸に脚を接続し、脚を放して、また隠れるということだ。

私が考えたのは、機首自体をアームの変わりにする方法で、脚を機首に移動するのではなく、機首が脚を迎えに行く方法だ。今回は、動画にしたので、見てください。

My VF-1¬富1号機 変形方法

次はYF-19の変形だ。この機体の問題点は、機首が長い事、胸になる部分が薄くて、脚に干渉する事と、腕と肩位置の関係で、やはり脚と干渉する事だ。さらに言えば、腰の回転軸が無い事と、バトロイド時は脚が太く、ファイター時は脚が細い点もある。

機首が長いのは、多重に折りたたみ、たたんだ部分に腰の回転軸を作る。胸や腕が脚に干渉するなら、胸も腕も薄く、細くしてしまえばよい。ただ、それだけだとバトロイド時に、不具合がでる。胸は2パーツ化して、せり出す方式に変える。腕は、上腕の内部骨格だけにして、上腕の装甲は、肩か、脚と干渉しない部分に、移動させれば良い。さらに、上腕の途中に追加関節を設ければ、脚との干渉は、少なくなる。これで、YF-19のおもちゃのように、腿裏や脹脛を、ごっそり切り取らなくても、胸も腕も納まる。

脚に関しては、同じ太さであっても、脚が長ければ細く見えるし、短いと太く見えるものだ。バトロイド時には、脚を短く、ファイター時には、脚を長くすれば良い。膝関節を工夫すれば、簡単だ。ただし、ファイター時に長くなった膝部分に隙間ができるので、空力パーツで、蓋をするようにすればいい。

私の変形方式では、機首の後部を、自動車のサスペンションのように曲げて、その支点部分に、腰軸を配し、その上に上体が、「やじろべい」のように乗っている。テレビ局で使う、ブレの無いハンディカメラみたいに、脚部の衝撃をサスペンションで、吸収し、コックピットが、揺れないようにするためだ。背中にコックピットがあるYF-19のバトロイド形態は、乗り心地が悪そうに思えたからである。

My YF-19 変形方法

最後はSV-51。この機体は、元々CGによるものなので、そのまま作れば、変形に問題はない。ただ、この変形方法では、腰の回転軸がどうしても作れない。両足の間にあるのは、見た目には腰なのだが、胸の延長であり、脚軸もそこには存在しない。リフトファン・カバーが、機首方向に折れ曲がることで、脚は移動する。この部分に腰の回転軸を設けることは可能だが、股間にある機首が動かないので、脚と干渉するため、自由度が少なすぎて意味が無いのだ。SV-51の腰の回転軸問題を解消したのが、VF-25である。

My SV-51 変形方法

SV-51の変形は、ファイター=>バトロイド直の方が綺麗に変形できる。ファイター=>ガウォーク時には、腿の途中で、足が180度回転するためだ。さらにガウォーク時には、膝を曲げる必要がある。この膝を曲げながら180度回転するのが、綺麗に見えないのだ。上の映像では、ダイレクト変形と、ガウォークを経由する変形がミックスしてあるので、そこも見てほしい。